OLYMPUS PEN E-P3 レビューっぽいの

f:id:kame-neko:20110808000524j:image

EOS5D2+EF100mmF2.8L MACRO(特記以外以下全部)

E-P1で特に不便していなかったので買うつもりは無かったが、まあお金もあるし買っとこう、というブルジョアな発想で購入にいたる。お金があるうちに形に変えるのが俺の生き様。ということでE-P3導入です。
第一印象は、E-P1に比べ得たものも多いが、失ったものも多い。

f:id:kame-neko:20110808001621j:image
なんだかんだでE-P1が活躍しているので、より活躍の場を増やすためにノクトンを導入していた。このレンズはなかなか優秀で気に入っているのだが、いかんせん重い。取って付けたようなE-P1のグリップでは心もとなく、イマイチ取り回しに不満があった。ハンドストラップを付けるなどしたが、根本的解決に至らない。じゃあパナソニックの一眼レフもどきを導入しようと思ったが、再三繰り返すが私はパナソニックのカメラのデザインがゴキブリの次に嫌いである。そもそもカメラを使うためにレンズを買って、今度はレンズを使うためにカメラを買う、というのも本末転倒な気がしないでもない。ちょうどいい具合にE-P3が発売され、オプションで大型グリップがあり、いい感じなので購入に至った次第である。嘘みたいだがマジである。他にもVF-2が装着できるとか、なんだかんだあり、買わない理由より買う理由のほうが多かった。可能であれば12mmF2とかも買っときたかったが、さすがにブルジョアパワーが足りなかった。
f:id:kame-neko:20110808002925j:image
今回買ったのはツインレンズキット。本当はレンズキットが良かったが、売り切れていたのだからしょうがない。ということで今私の手元には白と黒、二つのパンケーキレンズがある。しかし、良くも悪くも本当にソックリな二台である。
f:id:kame-neko:20110808013559j:image
上から見るとこんな感じ。モードダイヤルが左肩から右肩へ移動し、E-P3ではかつてのシャッタースピードダイヤルのように鎮座している。こうやって見てみると、E-P1の軍幹部はとてもすっきりしていたのだと分かる。
f:id:kame-neko:20110808003535j:image
オリンパスが早いと宣伝するAF速度だが、結果は「オリンパスにしては頑張った」程度。パナソニックDMC-G1にやっと追いついたぐらいか。体感的にはDMC-GH2には劣っている感じ。まあそれでも、M14-42mmRのAF速度は十分早い。じゃあE-P3にパナソニックのG14-45mmを付けるとどうなるの?というと、AF速度に差はほとんどない。
f:id:kame-neko:20110808005558j:image
が、ここでこの二本どちらが良いかという問題には、特に悩まずに結果が出る。結果は明らかにM14-42mmの方。E-P3とのデザイン的にいいというのもあるが、例えばズームリングやピントリングを回した時の感じはM14-42mmが圧倒的にいい。前モデルの絶望的なダサさもなんとか無くなり、いい感じである。はじめズームレンズいらないよ、なんて思っていたが意外に良くてびっくり。G14-45mm導入時は沈胴タイプが馴染めずに導入したが、最近は"あるきっかけ"で沈胴万歳である。ビバ沈胴。沈胴しないレンズはただのゴミなので、14-45mmはドナドナ確定。
f:id:kame-neko:20110808014032j:image
AF速度といえば、元祖フォーサーズレンズのAF速度はどの程度速くなったのか?答えは早くはなったけど、使い物にならないことには変わりなかった。最後の追い込み動作がネック。
f:id:kame-neko:20110808014213j:image
コントラストAF対応レンズにしても同じ。相性の問題もあるのかもしれないが、あまり使いたくなる速度と精度ではない。E-P1パンケーキレンズ付けたぐらいのAF速度なので、使えるといえば使えるが、迷いだすと止まらない。
f:id:kame-neko:20110808010258j:image
前から見るとソックリな二台だが、後ろから見てもやっぱりソックリである。E-P3はボタンが増え、黒かったところがなくなっている。つまりE-P3はグリップを外すとボディは全身シルバーなのだ!と言いたい所だが、実はレンズ取り外しボタンになぜかプラスチックパーツが増設されている。いらんだろアレ。
f:id:kame-neko:20110808010257j:image
詳しく見てみると、ちっとも似ていなかったりする。ボタンの配置がグチャグチャになっているから、E-P1ユーザーは操作を覚えなおさないといけない。見てのとおりホイールキーの機能が一新され、使う機能は駆逐され、使わない機能が割り当てられるようになった。E-P1ではホイールキーの左が変更でき、私はそこに手振れ補正の設定を呼び出せるようにしていた。古いレンズを付けるときなどその都度手振れ補正の焦点距離を変更するわけだが、そうすることでレンズ交換→左を押す→露出補正ボタンを押しながらダイヤルを回す→設定完了。ということだったが、E-P3はそれができなくなってしまった。手振れ補正のショートカットが変更できるのがFn2、つまり以前の露出補正ボタンのみ。泣く泣く露出補正を殺し、手振れ補正に割り当て。さらに焦点距離の変更の際、以前はダイヤルを回すだけだったがinfoボタンを押さないと変更できない仕様になり、イチイチ面倒くさい。
ちなみにE-P3では左ボタンには機能は設定できず、AFポイントの変更に固定されている。今回タッチパネルで楽にAFポイントなんて変更できるのだからわざわざ固定する必要があるのかはとても疑問だ。変更できるのは右と下で、私の場合右にホワイトバランス、下にISO感度の変更を割り当てている。上の露出補正も固定である。
赤いRECボタンと、虫眼鏡下のFn1にも機能が割り当て可能で、RECにはテレコン、Fn1にAFとMFの切り替えを割り当てている。ちなみにどちらも割り当てられる機能には制限があり、RECボタンにテレコンを割り当てているのも消去法に過ぎない。
という風に、操作性に関しては若干劣化した気もするが、虫眼鏡ボタンでダイレクトに拡大できたり、タッチパネルもあり、総合的にはやや上回っている。
f:id:kame-neko:20110808012248j:image
操作性がちょっと残念なE-P3だが、今度はE-P3の最大の欠点。それが液晶。有機ELディスプレイはE-P1の前時代液晶に比べると遥かに見やすいと思ったが、そうでもない。従来の液晶と発色の感じが異なり、E-P3のディスプレイで見るのとパソコンで見るのとではやや傾向が異なる。一応見え方に関しては細かく設定できるが、表示の仕組みが違うせいか違和感は残る。これは慣れるしかない。あと、どうでもいいが液晶の回りの黒い部分広すぎじゃない?
f:id:kame-neko:20110808012247j:image
そして致命的なのが視野角の狭さ。真正面から見ないとすぐに緑っぽく見えてくる。これはXZ-1でも同じで、ライブビュー機としては致命傷である。まともに見れるのは30度ぐらいで、45度からは緑色の世界で構図を決定だ。これも慣れるしかない。
高解像度化したか、E-P1に比べ結果的に見えにくくなったのは残念だ。

f:id:kame-neko:20110808013208j:image

EOS5D2+EF50mm F1.8

そうそう、E-P1には無かったフラッシュつきました。FL-50Rも遠隔で制御できます。でもそのための設定がメニューの奥にあるのはいつもどおり。無いよりあったほうがいいが、それよりもっと必要なものがあっただろうと、いわずにはいられない。
f:id:kame-neko:20110808014654j:image
という感じで、得たものが多いが失ったものも多いE-P3。だけどVF-2が装備できるだけでも満足だ。MFレンズのピントあわせが非常に楽になった。操作性や液晶には残念なものの、慣れれば何とかなるだろう。オリンパスのカメラを使う上で必要なのは努力でも忍耐でもなく、諦めである。受け入れるしかないのだ、オリンパスの意思を。

最後に、カメラとして最も重要な画質だが、E-P1とは大して変わってない。高感度もISO1600まで実用となっているが、個人的に安心して使えるのは1250まで(NRは弱)。被写体にもよるが、ISO1600は好んで使おうとは思えないほどノイジーと思う。E-P1がギリギリ800までしか使えなかったことを考えると進化はしているが、とあるフルサイズセンサーは6400まで全くノイズが出ず、12800も状況によっては使える。それを考えると、フォーサーズセンサーの高感度の弱さは相変わらずだ。画素ピッチは同じぐらいなんだから、頑張るんならもうちょっと頑張って欲しい。

(追記)
という室内テストの結果だが、改めて明るいところで使ってみて前言撤回。低感度ならシャープだし、AFも早い。けど、夜に弱いということは変わらず。

OLYMPUS マイクロ一眼 PEN E-P3 ツインレンズキット シルバー E-P3 TKIT SLV

OLYMPUS マイクロ一眼 PEN E-P3 ツインレンズキット シルバー E-P3 TKIT SLV