バイバイGX200

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OM-2+OM50mmF1.4(以下すべてGX200

もし、カメラを一台だけしか持っていけないとき、あなたは何を持っていきますか?私の場合はどうだろうか?現在フォーサーズ機最高性能のE-30だろうか?絶対の信頼性のE-1だろうか?それともOM-1?PEN FT?
しかし、こういう事態になったとき、いつも私は迷わず一台を持っていった。それがGX200だった。特別画質が言い訳ではない。同世代のカメラと比べても高感度性能など相手にもならなかった。けど、それでも私はこのカメラを買い、使ってきた。断言しよう、一番気に入っていたカメラだと。
だが、いつまでも一緒にいられるわけではない。GXRを買った今、GX200は第一線を退いた。だが、思い入れの強いこのカメラを、売ることなど出来ない。そのため、このカメラは信頼できる相手の下で使ってもらうことにした。そう、私の手から、GX200はいなくなったのだ。
いるのが当たり前だったこのカメラ。いなくなると、やはり悲しい。ふと、買ってからのことを思い出してしまった。

写真が撮りたい。携帯電話のカメラで満足できない私は、貯金を使い果たしてE-330という一眼レフカメラを買った。しかし一眼は大きく重い。さらに気恥ずかしさもあって、そこまで出番は無かった。
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そんな時、君とであったのは一昨年の12月。それから約一年半の付き合いとなった。
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GX200が来てから、いつでもカメラを持ち歩くようになった。
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写真は楽しい。GX200はそれを思い出させてくれた。
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何気ない町並みも、気兼ねなく撮れる。そうか、自分が撮りたかった写真はこういう写真だったんだ。
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実のところ、当時あんまり一眼レフの機能を使い切ってはいなかった。以外にも、いろいろな機能を知ったのはGX200からだった。言うならば、写真の撮り方を教えてもらった、というところか。
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いつでもそいつは側にいた。どこにでも連れて行った。
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今でこそマクロを撮るようになったが、きっかけは他ならぬGX200の強力なマクロ性能だった。今まで撮れなかった写真が撮れる様になる。
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写真にはこういう世界もあるのか。そして後に、ZD50mmF2マクロの導入へと続く。
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GX200で撮るようになったのはマクロだけではない。夜景もGX200からだ。小さなカメラはちょっとした手すりに置くことができる。
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夜景を撮るのが楽しくて、一時期帰るのが遅くなったのを覚えている、それはまだ冬の寒い時期だったはずだ。
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マクロ同様楽しくなったのはブツ撮りだ。ストロボを導入してから飽きるほどブツ撮りをした。今でも飽きていない。
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しかし、時々E-330を使うときがある。そのとき、一眼の凄さに気づいた。E-330は、本当は凄い奴だったんだ、と。ただ、使いきれていないだけだったのだ。
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一眼の凄さに気づいてから、一眼とGX200の二刀流が続いた。そして、一眼が楽しくなった私は、今の相棒であるE-30を導入する。
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主力をE-30に奪われてからも、最強のサブカメラとして活躍する。一眼にしか撮れない世界があれば、コンデジにしか撮れない世界もある。
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このころが一番写真を撮るのが楽しかった気がする。どんな些細なものも撮った。朝から晩まで、よく飽きないものだ。
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何気なく撮った一枚も、撮ったときの状況は不思議と覚えているものだ。この写真もどういう状況で、どういう設定で撮ったのかすらも覚えている。
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GX200で撮った写真を見るだけで、その日々が思い出される。この写真は歩いて駅に向かう途中の、警察署の前。あの日は暑かった。
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写真は楽しい。コンデジでしか撮れない写真はある。
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確かに性能だけを見ると一眼には劣る。それは認めよう。だが、常に一眼を持ち歩けるか?と聞かれるとNOだろう。GX200は万能ナイフ。とにかく便利な奴なのだ。
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GX200は夜景に弱い。致命的なまでに。
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あまりの弱さにGXRを導入したが、しっかりと夜景の写真は残っている。もっとも撮るのに苦労した思い出はある。
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この写真はテレコンTC-1を付けて撮ったが、当時なぜかこの光景に出会ったとき興奮したものだ。凄い写真が撮れるかも!?と思ったが、そうでもなかった。
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けど、うまく撮れないからこそ、写真は楽しいのかもしれない。どうすればいいのか、考えながら撮るのが楽しいのではないか?
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補足だが、GX200を使うようになって一つのスキルを手に入れた。「根性手振れ補正」である。上の写真は、シャッタースピード1秒である。ほとんどぶれていない。つまりそういうことだ。
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今では汚れて穴も開いてしまった下宿。当時はまだ綺麗だった。
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転勤の多い職場だが、とりあえず身一つで行くとき、連れて行くのはGX200だ。この機動性は一眼では出せない。
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3ヶ月間お世話になった寮での最後の一枚。大家のおじさんおばさんは元気にしてるだろうか?
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こう思い返してみると、たった1年半であるが、いろいろなことが起こっていた。
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特に、カメラが増えた。やばいぐらいに。結局使うのはメインとサブの二台だけなのだが。
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GX200を手放し、一抹の寂しさを感じている。ここまで一緒にいたカメラは他にはなかった。
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本当ならもう一年は使う予定だったが、いろいろな事情が重なって手放すことを決めた。渡す相手が信頼できるということが、唯一の救いか。
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たった一年と半年。だが、とても充実していた。たった一つのカメラが、ここまで生活を変えてしまうとは思わなかった。新たな視点、新たな世界。
後継機としてGXRを導入したが、今現在GX200のような愛着は無い。相棒というより道具に過ぎない。確かに撮れる写真はGX200を上回っている。だが、愛嬌が無い。
これから半年近く、GXRと旅をする。その後どういう評価になっているのだろうか?手放すときこんなにも書くようになるのだろうか?


別れの無い出会いは無い。GX200とはもうお別れだ。ありがとう。
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