記憶

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PEN EE-3

今日現像してきたフィルムからの一枚。そして、ちょっと個人的にびっくりした一枚。なぜかというと、撮った記憶が無かったから。フィルムに残っていたのは今住んでいる関東周辺の写真だらけなのだが、ただ一枚、この一枚だけ違う場所で撮られていた。ここがどこかというと、実家のすぐ側。小学校、中学校、そして高校と、すべての通学路だった。都市化の進む地元でも、ここだけは何も変わらない。ふらりと帰ったのを思い出したが、そのときペンを持って帰ったことも、シャッターを切ったことも覚えていない。だから、スリーブにこの一コマがあって正直驚いた。

個人的な意見だが、この一枚、記憶の中から念写したような雰囲気で気に入った。自分の記憶の中には、未だ小学校の頃の思い出が強い。夏の登校時、両脇の水田で足つきのお玉じゃくしを血眼になって探したものだ。そして、遅れそうになって全力ダッシュ。結局友達は見つけれても、私は見つけることが出来なかった。

社会人となってこの場所に来ても、ついつい目は水田に溜まった水を眺めてしまう。そこには変わらない水田と、変わってしまった自分の顔が写る。あの頃は足の付いたお玉じゃくしを見つけるのが人生の目的みたいなものだったが、今はどうだろう。何を探しているのだろうか?