リコーの万能ナイフ GX200

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 いろいろとカメラを試してきたが、現在もっとも出動回数が多いのがこのGX200だ。そして、もっとも愛着のあるカメラでる。画質も操作性も、一眼に劣るこのカメラになぜそんな愛着を持っているのか?理由は至極簡単だ。多機能で、小型だからだ。
 例えば主力のE-30に14-54mmのレンズを付けて持ち運ぼうとすると、最低限バッグが必要となる。一方でGX200はポケットに入れて終了だ。撮影かかるまでの時間も圧倒的に短い。持ち歩ける荷物には限界があり、そのため一眼は持ち出さないことも多い。だが、シャッターチャンスは待ってくれないし、戻っても来ない。いつでも持ち歩け、いつでも撮影できなければならない。また、GX200は24mm相当の広角から72mmのちょっとした望遠、さらにはほぼ全域でマクロ撮影もできる。これを一眼でやろうとするとレンズを2、3本持ち運ばなければならない。この点でも機動性の高さが伺える。
 とにかく小さいくせに頼れる「道具」。それがGX200だ。

 リコーはGR-Dを「切れ味の鋭いナイフ」と称し、このカメラを「万能ナイフ」と称した。全くその通りだ。このカメラ一台でなんでもできる。一方で一眼は「刀」や「槍」といったところか。
 GX100が発表されたときは「レンズバリアもないし何がしたいんだこのカメラは?」と思っていたが、GX200でLC-1が同時発売となり評価が一新。当時GX200フォーサーズの9-18mmを買うかさんざん悩んだ挙句こいつを選んだ。今思えば大正解だった。
 もっとも、発売されてすぐ買ったかというとそうではない。実は当時マイクロフォーサーズ規格が発表され、「こいつはとんでもないカメラが出てくるぞ!」と期待し購入を見送っていた。が、待てど待てど発売の話は出ず、結局こいつを買った。今はE-P1も発売されたが、それと比べてもこいつの優位性は変わらない。
 とにかく発売してとにかく撮りまくった。ポケットに入るというのはすごく感動した。一応その時はIXY910ISを持っていて、小さいカメラはあったはずなのだが、やはりオートのカメラとマニュアルなカメラでは意味合いが変わってくる。だが、当時はどうにもGX200のあっさりとした発色が好きになれなかったが、画質をコントラストの高い硬調に変えたところ、好みの発色となった。その画質は当時主力だった一眼のE-330をしのぐ逆転現象が起こりだし、その結果、新しい一眼のE-30の導入に至る。
 気が付けばすっかり気に入ってしまい、すべてのオプションを買いそろえてしまい、予備のバッテリーまで買った。あと数年は戦える状態だ。画質にまったく不満は無い。ちょっと手持ちの夜景撮影に弱いのが考えものだが。
 GX300が出たら交代するのか?というのはちょっと分からない。GRD3がGRD2からだいぶ改良されたように、GX300もレンズユニットの大幅な変更などがされてくるかもしれないし、オプションパーツの互換性が保たれているかも疑問だ。そもそもGXのシリーズが生き残るのかも分からない。
 とりあえず現在気になっているのがキヤノンpowershot S90だ。見た目IXYライクな外観に、ギュッとハイエンドコンデジの機能を詰め込んできた。明るいレンズや画素数を増やさずにノイズを減らした映像素子、エンジン。キヤノンお馴染みのコントロールホイールや、新たなコントロールリングを使った操作性は良さそうだ。なによりリコーで言うステップアップズームがあるのは大きい。特にコントロールリングはGX200をもつ時は一眼と同じように左手でレンズ基部を握るので、ここにボタンがあると便利だとずっと思っていた。パナソニックのLX3もスイッチがちょこちょこついてはいたが、ちょっとイメージと違った。まああれはあれでいいから悪くは無いのだが。
 ただ、このS90の気に入らないところもあり、フラッシュが自動ポップアップだとか、ホットシューがないなどがある。フラッシュは一応ポップアップタイプなので、うっかり光ること無いと思うが、ホットシューが無いのはちょっと痛い。いくらレンズが明るくても室内撮りに外部ストロボは必須だ。マニュアル発光があれば、最小の発光量にして外部ストロボをスレーブ発光させるのだが、できるのだろうか?
 今やマイクロフォーサーズといいハイエンドコンデジといい、小型高性能がトレンドで、各社競って出してくる。小型好きには嬉しい限りだ。