いつまでファインダーを覗いているんですか?前編

予告通り10月1日に更新。今日でピークが終わるかと思えば、本当のピークは来週だったというオチ。今週はいつもより多めに死にかけました。

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OM30+OM35-70mmF4

 フィルム一眼レフカメラに憧れていた少年時代。そんな心を今でも引きずっている私にとって、カメラにファインダーは必須!と思っていたのだが、最近どうも状況が変わりつつある。そもそもファインダーというものは、フィルムカメラ時代の苦肉の策に過ぎない。
 フィルムで写真を撮っていた時代、フィルムに写る世界を見るため、ファインダーが登場した。今でこそ一眼レフというカメラが一般的だが、一眼レフというものが一般化したのは戦後の話。それまではレンジファインダーが主流だった。レンジファインダーというのはライカに代表される種類なのだが、ぶっちゃけて言うと「写るんです」方式。覗き窓があって、写る範囲がだいたいわかる方法。とにかくコンパクトに作れるのが特徴だが、弱点としてあんまり信用できない。フィルムの見る世界と、自分の見る世界は見ている角度が違うので、どうしてもズレが生じてしまう。そのため、現在はフィルムと同じ視線で見ることのできる一眼が主流なのだが、だが、これよりもより正確にとらえる方法が現在発明されている。

 レンジファインダー二眼レフ、一眼レフと、カメラの歴史の中でいろいろな方式のカメラが生まれた。結局現在は一眼に落ち着きつつあるが、今のカメラ市場を見て分かるように、主流は決して一眼ではない。デジタルカメラである。
 フィルムではなく、CCDやCMOSといった映像素子を使い、さらにそこに写った画像をそのまま見ることができる。一眼といえども、ファインダーに写った画像と、写真の結果が一致するかといえばそうでもない。ファインダーの性能はフラグシップ機を除き、だいたい妥協の産物だ。一眼と言えど全くそのまま撮影できるわけではない。まあ普通に使ってたらまず気にならないが。
 一眼レフはその構造上ミラーやファインダーを付けねばならず、構造の複雑、大型化を招く。しかし、そんなもの無くても、デジタルカメラは撮影できる。そもそも、デジタルカメラにファインダーは必要なのだろうか?
 フィルムカメラの場合はファインダーは必須だ。無ければ何が写るか分からない。だが、デジタルカメラは先に述べたように、写った画像をそのまま表示できる。ファインダーを持たなくてもいいため、どこまでも小型化ができる。携帯電話のカメラなんかがいい例だ。
 一眼レフカメラがデジタル化されて久しい。が、フィルムが映像素子に置き換わっただけで、構造的には50年前と何も変わっていない。それだけ完成されているともいえるが、少々古臭いのではないか?なぜ複雑、大型化する一眼"レフ"を使うのか?それは一眼レフカメラの右肩に液晶パネルが残っているように、過去の遺物に過ぎないのではないか?
 E-330が発売されたとき、自分の中で何かが動いた。なけなしの小遣いを払い、一眼を買ったあの日。なぜこんなチンチクリンなカメラを買ったのか?疑問に思ったこともある。E-330の特徴はその形ではなく、普通のデジタルカメラのように、映像素子に写る画像をそのまま液晶に表示できる「ライブビュー」だった。カメラが一眼化され、露出計が内蔵され、オートフォーカスが付き、そして、ライブビューが搭載された。記念すべき実用第一号機。そんな思いがあったのかもしれない。今では第一線を引いてしまったしまったが、これからはクラカメ感覚で飾っておこうと思う。
 E-330発売後、ライブビューは一眼の必要機能となっていった。いやむしろ、なぜ一眼はファインダーを覗かなければならないのか?カメラに疎い人はそう思うに違いなかった。そして、ファインダーを覗くという行為に、拒否反応を示す人も少なくない。普通のデジカメは覗かなくとも撮れるのだから、一眼でも同じことができるはずだ。なぜそうならないのか?
 そして、最近はファインダーを持たない一眼が人気を博している。オリンパスE-P1パナソニックGF1だ。少し前の私なら、これらのカメラを決して評価しなかった。光学ファインダーが無いなんてやる気が感じられない!と。だが、今は違うと思うのは、GX200などの影響だ。本当にファインダーが必要なのかというと、無くても何も問題ないことに気付いたからだ。最近、主力のE-30で撮影するとき、ファインダーを覗く回数が減りつつあり、ライブビューでの撮影頻度が増えつつある。とはいっても、E-30ほどの重量だとファインダーを使わないとちょっと重い。デコにカメラの重量を預けなければ容易く手振れしてしまう。ただ、これはE-30の重量が原因だ。カメラが小さく、軽ければ問題ないのだ。むしろ、ファインダーを覗くという制約から解放される方が大きい。そして、いかに優れた光学ファインダーでも、決して越えることのできない強みが、ライブビューにはあるのだ。

後篇に続く