魅惑の竹レンズ

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GX200(以下全部。ちなみに上の写真には梅レンズも混じってます)

 竹は偉大である。電球のフィラメンになったり、流しそうめんに使えたり、かぐや姫を格納できたり、武器にすればB-29を撃墜できたりと、われわれの生活に欠かせないものである。
 フォーサーズのレンズには分かりやすく松竹梅のグレードが分けられており、性能と大きさと重さと値段が分かりやすくなっている。
 しかしまあ最高の松クラスは「金持ちの道楽」でしかない。同じクラスのレンズと比較して高性能だが、同クラスと比較しても大きく、重い。どのくらい重いかというと、フルサイズ用のレンズより大きく重い。
 一方梅レンズはフォーサーズの真骨頂と言ってもよく、同クラスに比較して小さくて軽くて高性能。現在のフォーサーズのメインストリームである。ただし極限まで軽量化と低コストを推し進めた結果、最高に安っぽい。
 程よくカメラとして大きさと重さと質感を保っているのは、中間に位置する竹クラスである。フォーサーズでカメラを楽しみたいという物好きは、竹クラスのレンズで遊ぶのが一番であろう。梅レンズに比べ、大きさと重さと値段の割には、梅レンズよりは何ぼか高性能程度だが、私は竹レンズを選ぶ。今までは14-54mm一本だったが、将来は全部制覇したい。フォーサーズ使いとして、最低限そろえるべきアイテムなのだ。

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 ということで揃えてみた。




……
………
………………



「一夜にして揃えてしまったぁあああああ!!!!IYH!」



 ボーナスが出たし、何かレンズを買おう。物語の始まりはここからであった。当初はブログにちょこちょこ出ていたが、松クラスの超広角レンズ、7-14mmF4.0を狙っていたのだが、何が何でも広角過ぎるだろ?ということで却下。たぶん、広角過ぎて使いきれない。そもそも私はボーエンスキー(望遠好き)だし、フォーサーズの誇る主砲、300mmF2.8…じゃなくて、50-200mmF2.8-3.5SWDを狙っていた。半ば決まっていたのだが、このレンズは最大の欠点があるのだ。

「格好悪い」

 いや、素のままではまだ見れる。のだが、フードを付けてみよう。恐ろしくでかいのだ。たぶん、私のなんちゃってカメラバッグには入らない。次にズームしてみよう。にょきにょきにょきと伸びるのだ。その姿もなんか滑稽だ。SWDの高速AFも、SWDのダイレクトMFも店頭で使って気持ちが良かったのだが、とにかく格好悪いのだ。
 それだけが私を買う気にはさせてくれなかった。他社の望遠レンズを見て「格好いいな〜」と指くわえて眺めていた。というか今時丸型フードって古臭いよね。雨は凌げて便利だけどさ。
 SWDが魅力のあのレンズ…。SWD…SWD…。…そういえば、SWDが無い旧モデルがあったな、と思いついた。そして見てみると、なかなかスリムで格好いいではありませんか。AFスピードや細かいことはSWDモデルのほうが上だが、AFスピードも70-300mmみたいに我慢できないものでもないだろう。うん、悪くない。
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 しかしSWDモデルの登場でディスコンになっているので、中古店でしか入手できない。そこで中古を漁ったのだ悪かった。やばい、安い。当たり前だがさすが中古、価格コムの最安値より遥かに安い。
 そこで俺、考えた。
 新品のレンズ一本と、中古レンズ二本の価格は二アリーイコールである。正規で買ったほうがその分メーカーも喜ぶと思うが、個人的にオリンパスが潰れようがどうなろうが知ったことではない。というかノーマルフォーサーズ放置プレイ状態だし。
 ということで、50-200mmともう一つ買うこととなった。で、ここからが早かった。

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 50mmF2.0マクロは、フォーサーズのレンズの中でもとても評価の高いレンズである。デザインと質感は最低だが、一度は使ってみたかったレンズだ。じゃあ二本目はこいつかな?と考えるようになった。
 でも、ふとE-1を見る。こいつには普段E-30のキットレンズである14-54mmF2.8-3.5IIが付いているわけだが、まあこの際だからはっきり言おう。似合わない。
 14-54mmとのマッチングは最高だ。重さも大きさもばっちりだ。だが、こいつはIIなのだ。E-1と一緒に世に放たれたIではない、E-30用に(?)改良された改良型、IIなのだ。IIになったことで、フォーサーズの証である青色のリングが付けられたのだが、青なんてどこにも無いE-1には、なんともミスマッチなのだ。こいつにベストマッチするのは他ならぬ旧型なのだが、同じようなレンズを買うほどバカじゃない。でも、形が同じようなレンズなら問題ない。
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 ということで急浮上した。11-22mmF2.8-3.5。概観は14-54mmとクリソツである。7-14mmが当初候補に挙がっていたよう、広角レンズには興味があった。が、11-22mmは広角レンズとしては広角に弱い。どちらかというと「広角よりの標準レンズ」なのだ。フォーサーズには梅クラスの9-18mmという素晴らしいレンズがあるが、安っぽいし距離指標もないし候補にも挙がらない。コントラストAFに対応しているのは大きいんだけどね。で、そいつのおかげですっかり日陰者になり、ディスコン待ちの11-22mm。いい加減リニューアルしてもよさそうなこいつが急に愛おしく思えるようになった。
 まあぶっちゃけた話、E-1用の標準レンズが欲しかったのだ。いちいち付け替えるの面倒だし。

 ということで、50mmマクロか11-22mmかで悩む。3分ぐらい悩んだ。そして出てきた答えは至極簡単だった。

「どうせいつか買うなら今買えばいい」
 ポチッとな。



 という顛末である。レンズの値段なんて変わらないし、早いも遅いも財布への被害は変わらないのだ。
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 こうして、私の手元には3本のレンズがやってきた。同時に着ちゃったもんだから試し撮りをどれからしようか悩んでいたら、日が暮れてしまった。
 ところで、今回中古で買って失敗したなあと思ったことがある。というのも、11-22mmには、キャップもポーチもあるのに、なぜかフードだけは付いてこなかった。しまった、そこまで見てなかった、という失敗だ。
 私は「レンズキャップしないぞ派」で、「絶対フードは付けるぞ派」なので、レンズの守りはフードに一任している。ディスコン寸前の11-22mmはamazonでもフードは取り扱っておらず、オリンパスの直販サイトぐらいしか取り寄せられない。しかもフードに3000円も使わねばならない。レンズが増えたしいい加減防湿庫買わないと…。出費のために出費する。出費スパイラル。


 レンズの感想などは使ったらおいおいやっていく予定。とりあえず一言言えるのは「さすが竹!」ということだ。11-22mmはE-1とベストマッチ。スナップに行きたくなる。50-200mmなんかは少し鳥肌が立ちました。50mmマクロは…写りは国宝だが、AFの音が公害。


追記
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 一緒に送ってこられたカタログたち。今の俺はE-1とE-30にぞっこんだから誘惑には負けないぜ!
 でもまあオリンパスのレンズ買ったからオリンパスのカタログ付くのは許そう。GXRのカタログも今旬のカメラだから許そう。けどPIXUSって何さ。