E-M5レビュー take1「理想と答え」

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自慢じゃないが、撮影機材に注ぎ込む資金はセミプロ並と自負している。が、それも今日までだ。
私の写真生活で、黄金時代と呼ぶ時期がある。とにかく写真を撮るのが楽しくて、出てくる写真も活き活きとしたものだった。その後、訪れた迷走時代。何が撮りたい?何で撮りたい?わけも分からずがむしゃらに機材を買いあさっていた。
写真なんてカメラがあれば撮れる。カメラの良し悪しで写真の良し悪しは変わらない。とは分かっていても、なんとなくいい写真を撮るのに、より高性能な機材が欲しくなる。だが、高性能なカメラは重く、高価だ。いくつものカメラを試した結果、一つの理想が出来上がった。そしてその理想を満たすカメラが登場したのだった。
というわけで、昨日はインプレッションで、今日からはレビュー。しかし生憎の荒天で夜撮りは無理なので部屋の中でブツ撮り。なんとなく高感度の強さが分かってくれれば幸いです。take1とありますが、take2をやるかは気分しだいです。

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E-M5+M12-50mmF3.5-6.3EZ(ISO12800)

私がカメラに求める性能はいくつもあるが、最も重要なものが好きになれるかどうかだ。どんな高性能なカメラでも、好きにならなければ撮影は楽しくない。逆に好きなカメラなら、どんなに低性能でも撮影は楽しい。では好きなカメラの条件は?というと、ぶっちゃけよく分からない。もちろん画質ももちろん、デザインなど、複雑に絡み合ってくる。最近ではR-D1は好きになったカメラだ。操作性は悪く高感度もダメ。出てくる写真も目を見張るものではない。けど、撮影は楽しい。世話がかかるが可愛いやつだった。EOS5D2も超高性能っぷりで、頼りになる兄貴、といった感じだ。

そんななか、初恋に似た出会いをしたカメラがある。それがOM-1だ。フィルムカメラなんかに興味の無かった当時、偶然見かけたそのカメラに目を奪われた。なぜか、数あるフィルムカメラの中で、OM-1だけは好きになった。気がつくとOMは増殖し、OMシリーズの半数の購入にいたる。しかしOMは終了したシステムだ。もう作られることは無い。彼女の遺品を集めたところで、付き合うことはできないのだ。

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E-M5+M12-50mmF3.5-6.3EZ(ISO6400)

私の撮影スタイルの都合上、機材の軽さ、そしてサイズは死活問題である。EOS5D2の性能には大満足だが、持ち運びが辛すぎる。かといってR-D1では任せられない。なので、携帯性と画質で我慢できるカメラが必要だった。そこに現れたのがマイクロフォーサーズ規格だった。E-P1が発表され、明らかに狙ったクラシカルなデザインが好きになれず、しばらく静観していた。その後価格も落ち着いてからE-P1導入したが、思いのほか活躍した。やはり小さい、というのはとても重要だった。だが、いざ撮影に行くぞ、という時には頼りない。まだまだ一眼レフを持ち運ぶ必要があった。
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E-M5+M12-50mmF3.5-6.3EZ(ISO6400)

カメラに求める性能、というか機能がファインダーだ。やはり私には必要だった。パナソニックのEVF機は気になるものの、EVFの出来が悪く、またどうしてもデザインが好きになれなかった。E-P3にVF-2というのも良かったが、外付けというのは好きになれない。VF-2の性能が良かっただけに、これが内蔵されれば、と思っていた。
その後ミラーレス市場は成長し、NEX-7、X-PRO1といった上位機が発売されるようになる。これには心動いたが、だが、まだ性能の要求を満たしていない。
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E-M5+M12-50mmF3.5-6.3EZ(ISO25600)

理想はEOS5D2並の性能を持つミラーレス機だった。EOS5D2は素晴らしい性能だ。最近では後継機が発売されたこともあって驚くほど安く売られている。特にEF 100mmF2.8L ISマクロはシフトブレすら補正し、写りも良い。あらゆる状況で期待以上の活躍をする、本当に頼りになるやつだった。NEX-7も、X-PRO1も、とてもこのカメラの代替にはなれない。写真の命といえるレンズの選択肢の少なさは絶望的で、カメラは良くても使いたいレンズが無いのは問題外だった。最低でもEOS5D2とEF100mmLの代替にならないといけない。また、NEXなどはAPS-Cサイズのセンサーなので、レンズの小型も期待できない。個人的にAPS-Cセンサーは好きなサイズではなく、APS-C使うぐらいならフルサイズ使えよ、と思っている。そんな中途半端なセンサー使うぐらいならフォーサーズでいい。
そして、そんな要求に応えるカメラが登場してしまった。そしてそれは、初恋の相手に良く似ていたのだった。