E-M5レビュー take4「ここが変だよE-M5」

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E-M5+MZ12-50mmF3.5-6.3EZ

レビューと言ってももう書くことは無いのだが、惰性でtake5まで続きます。これまでE-M5のいいところばかり書いていたので、今回は逆に悪い面。
E-M5はやはりオリンパス製のカメラなので、完成度の低さはオリンパスクォリティです。オリのデジカメはE-1から知っているが、E-1のデザインや剛性、操作性といったカメラとしての出来の良かった。が、E-M5はなんというか、迷走っぷりマジぱねえっす!という感じだ。操作性はオリンパスのデジカメをいくら贔屓に見ても悪く、デザインをPENシリーズと分けたおかげでレンズとのマッチングもとれていない。というかPENシリーズもデザインが二転三転しているからどうしようもない。標準レンズの数がE-M5までに何本出たかは数えるのも馬鹿馬鹿しい。
しかし、個人的に最もE-M5で困ったことは、他ならぬアレだ。

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E-M5+G20mmF1.7

E-M5のウリはEVFであるが、実は最大の難点がこのEVF。とにかく、EVF周りの完成度が低い。時々E-P3にVF-2を付けた方が使いやすかったと思うほどだ。そう思わせる要因はアイセンサーである。このブログでもなんどか紹介しているが、とにかく敏感なのである。ファインダーの後ろに少しでも近づくとすぐにEVFに切り替わるのだが、それだけならまだしも鈍感なのである。敏感なのに鈍感という分けが分からないアイセンサーだが、どういうことかというとEVFの表示がトロイ。ファインダーを覗こうとすると敏感なアイセンサーが働いてEVFに切り替わるのだが、なかなか表示されない。目を離してEVFから液晶に切り替わるのもやっぱり遅い。こうなるとどうなるかというと、敏感なアイセンサーで勝手に切り替わった後、しばらくまったく操作できない時間ができる。
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本当にこのアイセンサーに困ったもので、特に問題となるのがローアングルで撮影するときである。ローアングル時にはE-M5のウリであるバリアングル液晶を傾けるわけだが、この際タッチパネルはほとんど使えなくなる。理想の使い方としてはカメラを地面すれすれにして、タッチシャッターを切りたいのだが、これが非常に難しい。タッチしようとすると確実に敏感なアイセンサーが反応してEVF表示に。もちろん液晶は無反応になる。いや、液晶ティルトさせた時点でファインダー覗けないんだからアイセンサー切っとけよ、とオリンパス開発陣に言いたくなる。タッチシャッターを活かそうとすると、アイセンサーに反応しないように器用に液晶をタッチする必要があるのだが、最近は面倒なのでアイセンサーそのものを切るようにしている。
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E-M5+MZ12-50mmF3.5-6.3EZ

EVF周りでオリンパスが慣れてないと思わせるのはアイセンサーだけでなく、他にもいろいろある。絶望的なのはEVFで再生できないことだ。いや、できるけど、すごい面倒。屋外だといくら「オリンパスが絶対の自信を持つ有機ELパネル(笑)」といえども見え辛くなる。そこでEVF機の真骨頂、EVFで画像の確認をするわけだが、再生してファインダーを覗くと自動的に撮影モードに復帰。やったね!
いや待て、と声を大にして言いたいが、出来ないわけではない。先に述べたように面倒なだけだ。手順としてはまずアイセンサーを切る→再生ボタンを押す→EVF切り替えボタンを押す、という流れになる。面倒でやっていられない。この設定をして、EVFだけに表示させようとしても、再生ボタンを押すと強制的に液晶に表示される。その度にEVF切り替えボタンが必要。ね、面倒でしょ。アイセンサーを切るという操作がまず時間のかかる作業なのだが、割愛する。
これで何が困るって、画像を確認してピント確認しているとき、敏感なアイセンサーが反応して再生モードが解除されること。また再生ボタンをおして拡大をやり直す羽目になる。
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E-M5+PL14-150mmF3.5-5.6

という具合に、ぶっちゃけ撮影中イライラします。一度の撮影で一度や二度ならまだ我慢できるが、二度三度どころか10回20回はやるので。解決策としてはとしてはアイセンサーを切ることなのだが、それならE-P3+VF-2の時代と変わらないじゃん、というオチである。
ここで少し視点を変えて、パナソニックはどうしているか見てみよう。パナソニックはとても軟派なイメージがあるが、ことカメラ作りに対しては極めて硬派だ。だいぶ古いDMC-G2でさえ、上記の不満は一切無い。切り替えは早いし、再生モードが解除されることはないし、快適そのものである。EVFの画質が悪い(特に黒の発色)という弱点があり、積極的に覗きたくならないのが難点。
個人的にはなぜE-M5でファインダーを覗いたまま再生できないのかは理解に苦しむ。
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EVF以外では何があるか。やる気の無いボタン、グリップをつけると交換できないバッテリー、頻繁に起きるフリーズなど、あげればキリが無い。とりあえずフリーズに関して述べておくと、フリーズは一度の撮影で1回から3回と、結構な頻度で起こる。特に電源入れっぱなしで移動しているときに起こりやすい。というかそれ以外では起こったことが無い。復帰方法はバッテリーを抜くことなのだが、その度にグリップを付け外しするのは手間であった。対策として電源のオンオフをまめにすることだろうか?発生条件については分からないので公式発表を待ちます。
いろいろ使ってみて、総合的な完成度はパナのGH2の方が上だなーと思う。あっちはハードキーがいっぱいあるし、ただでさえ優秀なパナのレンズの性能をさらに引き出すことができるし。ミラーレスならNEX-7が上、マイクロフォーサーズならGH2が上、本気モードならEOSが上、趣味ならR-D1が上。と、とても微妙な立ち位置にいるのがE-M5です。
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そんなE-M5だが、世話のかかる子ほど可愛いと言いますか。そんなとこも全部ひっくるめて大好きです。